多くの営業チームは、パイプライン総額だけを見て安心します。けれど実際には、数週間動いていない取引が残り続け、予測だけが膨らんでいることが多いです。Dun & BradstreetはB2Bデータが年34%以上のペースで劣化し得ると説明しており、Scratchpadの2023 RevOps Trends Reportでは、予測に必要な正しいデータがあると「強くそう思う」と答えたRevOps / 営業リーダーは22%にとどまりました。(Dun & Bradstreet, Scratchpad)
必要なのはダッシュボードを増やすことではなく、放置された取引を早く見つけ、優先順位を付け、再アプローチまでつなげる仕組みです。この記事では、その流れをSankaで組む方法を整理します。
私自身、これまで15年以上にわたってSMBからグローバル企業まで1,000社以上の成長支援に関わってきましたが、放置取引の問題は業種や規模が変わっても繰り返し見てきました。多くの場合、営業が怠けているのではなく、再アプローチすべき取引が見えず、優先順位が崩れていることが原因です。
この記事で作るもの
自動化前のパイプライン — 放置取引が見えにくい状態:

以下を自動化するシステム:
- 14日以上活動のない取引をパイプラインからスキャン
- 各放置取引をスコアリングし、救う価値があるものを優先順位付け
- 高額の放置取引をフラグし、担当者に通知
- 回復可能な取引に対して再アプローチを実行
セットアップ時間:ChatGPT / Codex、Claude、Cursorからなら0分、MCPなら5分、SDKなら20分。

オプション A: ChatGPT / Codex、Claude、Cursor から使う(0分)
APIキー不要、設定不要、コード不要。connector / plugin経由で自然言語のまま実行する方法です。
実際の操作イメージ:

1. 接続を済ませる
ChatGPT / Codex、Claude、Cursorでの接続手順は、スタートガイドを参照してください。ここでは、接続後にどんな依頼をすると実務で使えるかに絞ります。
2. 依頼する
「14日以上更新されていない進行中の取引を全て表示して。それぞれスコアリングして、再アプローチする価値があるものを教えて。取引金額上位5件について、連絡先に送れるフォローアップメッセージの下書きを作って。」
3. 結果を確認する
AIアシスタントが取引一覧を取得し、活動日を確認し、各取引をスコアリングして優先順位付きの表を返します:
| 取引 | 金額 | 未活動日数 | スコア | 推奨アクション |
|---|---|---|---|---|
| 田中商事 — エンタープライズプラン | ¥5,400,000 | 21日 | 72/100 | 再アプローチ:事例を送付 |
| グローバルテック — Proアップグレード | ¥3,360,000 | 16日 | 65/100 | 再アプローチ:デモを提案 |
| スタートアップXYZ — スターター | ¥384,000 | 31日 | 23/100 | 失注としてクローズ |
上位取引のフォローアップメッセージの下書きも、担当者が確認してすぐ送れる形で表示されます。
オプション B: IDE で MCP を使って構築する(5分)
Claude Code、Cursor、その他MCP対応ツールを使う開発者向け。connectorと同じ機能を開発ワークフローに統合。
1. Sanka MCP に接続
MCP設定(Claude Code の settings.json または Cursor の MCP設定)に以下を追加:
{
"mcpServers": {
"sanka": {
"url": "https://mcp.sanka.com/mcp?apiKey=sk_live_YOUR_KEY"
}
}
}
2. やりたいことを記述
ステータスが「open」で、最終更新日が14日以上前の取引を全て一覧表示して。
各取引のスコアを算出し、結果を3つのバケットに分類して:
- 「今すぐ再アプローチ」(スコア60以上、金額100万円以上)
- 「ナーチャリング」(スコア40以上)
- 「失注クローズ」(スコア40未満、または45日以上未活動)
「今すぐ再アプローチ」バケットの取引は、主担当の連絡先を取得してパーソナライズされたフォローアップを下書きして。
各取引のタグをバケット名で更新して。
3. 結果を確認する
エージェントが取引一覧を取得し、ai.score でスコアリング、タグを更新し、フォローアップレポートを生成 — すべてIDE内で完結します。
オプション C: SDK で構築する(20分)
完全にコントロールでき、本番環境に対応。バージョン管理とCI/CDに組み込み可能。
1. SDKをインストール
pip install sanka-sdk
2. 構築する
from sanka import Sanka
from datetime import datetime, timedelta
client = Sanka(api_key="sk_live_...")
# 1. 進行中の全取引を取得
deals = client.deals.list(status="open")
# 2. 放置取引を検出(14日以上更新なし)
cutoff = datetime.now() - timedelta(days=14)
stale_deals = [
d for d in deals
if datetime.fromisoformat(d["updated_at"]) < cutoff
]
print(f"{len(deals)}件の進行中取引のうち、{len(stale_deals)}件が放置状態")
# 3. 各放置取引をスコアリング
scored = []
for deal in stale_deals:
result = client.ai.score({"type": "deal", "deal_id": deal["id"]})
scored.append({
"deal": deal,
"score": result["score"],
"days_inactive": (datetime.now() - datetime.fromisoformat(deal["updated_at"])).days
})
# 4. バケットに分類
reengage = [s for s in scored if s["score"] >= 60 and s["deal"]["value"] >= 1000000]
nurture = [s for s in scored if s["score"] >= 40 and s not in reengage]
close_lost = [s for s in scored if s["score"] < 40 or s["days_inactive"] > 45]
# 5. 各取引にバケットのタグを付与
for item in reengage:
client.deals.update(item["deal"]["id"], {"tags": ["re-engage-now"]})
for item in nurture:
client.deals.update(item["deal"]["id"], {"tags": ["nurture"]})
for item in close_lost:
client.deals.update(item["deal"]["id"], {"tags": ["close-lost"]})
# 6. サマリーを出力
print(f"\n今すぐ再アプローチ: {len(reengage)}件(¥{sum(r['deal']['value'] for r in reengage):,.0f})")
print(f"ナーチャリング: {len(nurture)}件")
print(f"失注クローズ: {len(close_lost)}件")
for r in sorted(reengage, key=lambda x: x["deal"]["value"], reverse=True):
contact = client.contacts.get(r["deal"]["contact_id"])
print(f"\n {r['deal']['name']} — ¥{r['deal']['value']:,.0f}")
print(f" 連絡先: {contact['name']}({contact['email']})")
print(f" 未活動: {r['days_inactive']}日 | スコア: {r['score']}/100")
3. 自動化する
毎朝のcronジョブとして実行、またはSankaワークフローに接続:
# 毎朝8時に実行
# crontab: 0 8 * * * python stale_deal_check.py
# または、取引の最終更新から14日経過でwebhookトリガー
# Sankaワークフローで「最終更新から14日以上」のトリガーを設定
導入効果
| 指標 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| パイプライン内の放置取引 | 進行中取引の約40% | 24時間以内に検出 |
| 予測精度 | 25-35%の誤差 | 10%以内の誤差 |
| 月間の救済取引数 | 0件(フラグなし) | 8-12件を再アプローチ |
| パイプラインレビューの工数 | 週3時間の手作業 | 自動レポートの確認10分 |
次のステップ
- Revenue Operations ガイド — RevOps自動化の完全ガイド
- AIを活用したCRMデータ分析 — CRMデータの分析と強化
- AI営業レポート — 営業レポートの自動化
- パイプライン予測 — Sankaの予測ツール
- スコアリングAPIリファレンス — スコアリングAPIの詳細
参考リンク
- Dun & Bradstreet: Why Data Quality Management Is Key to Sales and Marketing Alignment
- Scratchpad: 2023 RevOps Trends Report
放置取引の検出を今日から始めましょう。接続手順はスタートガイドを確認し、実装を始める場合はAPIキーを取得してください。