はじめに
今回は「ChatGPTとHubSpotで顧客データ分析を100倍効率化する方法」と題して、AIを活用した業務効率化の実例をご紹介します。
OpenAIの新機能「Data Research」を使うと、CRMツールであるHubSpotのデータをChatGPTに読み込ませて、自然言語でレポートを生成したり、営業資料を作ったり、経営判断の材料を引き出すことができるようになります。
実演デモ動画
業務フロー
HubSpot連携の準備と設定
ChatGPTでHubSpotのデータを使うには、以下の手順が必要です。
- ChatGPT Plus(月額$20)に加入
- ツールから「Data Research」を有効化
- 「情報源を追加」でHubSpotを接続
これでHubSpotに保存されている取引データや顧客情報を、ChatGPTで扱えるようになります。
接続できるデータソースはHubSpot以外にもDropbox、Google Calendar、Gmailなど幅広く、業務活用の幅が広がります。
レポート作成・分析の使い方
HubSpotとChatGPTを連携させることで、次のようなプロンプトでデータ分析が可能になります。
「一番利益が取れそうな業種と、逆に利益が出なさそうな業種について、過去データをもとにまとめて」
ChatGPTはHubSpotのデータを解析し、業界別の売上傾向や取引件数、利益率などから次のようなインサイトを自動生成します。
- エネルギー業界・運輸業界は利益が出やすい
- 金融・IT業界・建設業界はコンバージョン率が低い
- 成約ステージ別のボトルネック
まるで社内のデータアナリストや経営コンサルタントのような役割を果たします。
営業前の情報収集としての活用
営業活動においてもChatGPTは非常に有効です。
例えば、商談前に次のように聞くことができます。
「〇〇社の最新の取引状況と課題を要約して」
すると、以下のような情報を提示してくれます。
- 過去の見積もりや商談内容
- 担当者の反応履歴
- 過去に成約・失注した理由
- 取引ステージとネクストアクション
出先での事前情報収集や営業戦略立案に役立つインテリジェンスが一瞬で手に入ります。
CSV出力やチャート生成について
現時点では、以下のような機能は限定的です。
- CSV出力:最大17分かかることがあり、実務的には非効率
- チャート生成:基本的な可視化は可能だが、洗練されたビジュアルにはまだ及ばない
- モード切替:Data Researchモードが一時的なため、プロンプトによって通常モードに戻ってしまう
このため、データの加工や可視化についてはHubSpotのUIやExcelなど既存ツールとの併用がおすすめです。
現状の課題と今後の展望
今のところ、ChatGPTとHubSpotの連携はPCブラウザでのみ利用可能で、モバイルには未対応です(2025年6月5日現在)。
しかし、OpenAIの進化スピードを考えれば、モバイルや音声操作なども含め、対話型インターフェースが業務の主流になる日も近いでしょう。
実際、Sankaでは2年前からGPT APIを活用したプロダクト開発を進めていましたが、今回の進化には驚かされました。今後のSaaSやCRMのUIは「ボタン操作」から「AIとの会話」へと大きくシフトしていくと考えられます。
まとめ
ChatGPTとHubSpotの連携によって、次のようなメリットがあります。
- 顧客データ分析・活用の自動化:複雑なBIツールなしで要点を抽出
- 経営判断の迅速化:高額なコンサルティング事業課題や成長戦略を構築
- 営業活動の事前準備:顧客情報を一瞬で要約
一方で、CSV出力やチャート作成などは従来ツールの方が使いやすい場面もあります。
それでも、「AIと話すだけで業務が完了する時代」がすぐそこまで来ていることを、今回の実演を通じて実感しました。
💡 Sankaでは、こうしたAI × CRMの活用を支援する導入プログラムもご提供しています。興味がある方はお気軽にお問い合わせください。